ヴィッセル神戸vsベガルタ仙台~しあわせ運べるように
2011年6月11日
J1 第14節 ヴィッセル神戸 vs ベガルタ仙台
(ホームズスタジアム)
6月11日、東日本大震災からちょうど3カ月。
煽りV~選手紹介~神戸讃歌~カントリーロード
しあわせ運べるように
煽りVのBGMの曲は「しあわせ運べるように」です。
この曲は、神戸の小学校の先生が避難所で子供達のために作った歌です。
神戸の小学校では震災のあった1月に毎年歌われるそうです。
川嶋あいがカバーしています。
下のこの曲の動画には、神戸の震災と復興が収められています。
カントリーロード
いつもは、選手入場時に神戸讃歌を重ねて選手を迎え入れますが、
今日は神戸讃歌をいつもより少し早いタイミングで始め、選手入場時は仙台サポーターのカントリーロードでした。
関連リンク
J’s GOAL | 本震から4日後、仙台に流れた神戸讃歌 【Jリーグ TEAM AS ONE 特別寄稿】ベガルタ仙台担当 佐々木聡より
今日の審判のレフリング
試合内容ついては、スタジアムにいた人誰もが疑問に思ったはずのレフリングからです。
今日の主審は、今村義朗でした。J1は2年目の審判です。
茂木がペナルティエリアで倒された場面
69分、ペナルティエリア内で茂木がドリブルで前に仕掛け、チョ・ビョングクが斜め後ろからスライディングし茂木がつまずいた場面。
チョ・ビョングクは茂木とボールの間に足を入れて、ボールをゴールラインの方に蹴り出しました。
残った足に茂木の足がかかりなすが、チョ・ビョングクの足はボールに触れていて、逆の足や体でつまずかせたわけではないので、ノーファールでコーナーキックは正しい判定です。
チョ・ビョングクの足の足がボールが触れておらず、茂木がボールをコントロールできていたとすれば、ゴールラインを割るくらいにボールが転がっていません。
いいジャッジでした。
スライディングタックルの結果として相手選手が転んでも、足がしっかりボールに行っていればファウルとならない。
(訂正)スライディングした仙台の選手は、チョ・ビョングクではなく菅井でした。
疑惑のノーゴール
84分、朴康造のクロスから有田のヘディングシュートが、クロスバーに当たり、ほぼ真下に跳ね返ります。
地面にバウンドしたボールはゴールラインを割っていませんでしたが、キーパーの左足にあたってゴール方向に転がります。
それを右手で押さえてノーゴールとなります。
昨日の記事では、Jリーグタイムのハイライト映像の中でアップで止めた画像を張りました。
この画像ではボールはゴールラインを完全に割っていないように見えました。
今日、スカパーの録画をみたところ、この画像の時点からほんの少し転がっていて、ボールが完全に越えているように見えます。
スローにしないとわからないくらいなので、これは仕方ないと思うのは昨日と同じです。
記憶喪失
74分、ルーズボールに向かっていったポポとリャン・ヨンギが激突。
ポポが先に追いつきそうだったのでリャン・ヨンギは足を止めますが、ポポはボールをスルーしてリャン・ヨンギにそのまま体当たり。
このとき、ポポの肘がリャン・ヨンギの顔に入ります。
続けてポポはボールの方を見たまま走りだして、前方不注意で角田に激突。
どちらもファールにならず、プレーは続きますが、仙台の選手数人は不満を声とジェスチャーに出します。
田中英雄の高く上げた足が相手選手の手に当たったファールでプレーが止まりました。
リャン・ヨンギが主審に抗議。鎌田も強く何か言います。
今度は倒れていた角田が抗議し始めます。
角田はすでに警告をもらっていて2枚目を出して退場させると試合が壊れてしまうからか、主審から手を出して握手で場を収めます。
選手同士を握手させておさめることはありますが、主審と選手が握手をして場をおさめるって、どういうやりとりがあったのでしょうか?
やっと落ち着いて、リスタートです。
引きつった笑顔でボールを持ってサイドラインに行き、仙台にスローインを促します。
抗議されまくって動転した今村主審、ファールでプレーを止めたことを忘れています。
これにリャン・ヨンギが指摘しに行きますが聞く耳を持ちません。
結局、仙台の選手に囲まれて抗議され、第4の審判に確認しに行ってフリーキックとなります。
なぜ、副審や第4の審判は、主審に助言してあげないのでしょうか?
第4の審判は、主審に助言することも役割のひとつなのですが。
妥当なジャッジ、しかし・・・
両チーム4枚ずつの計8枚もイエローカードが出ました。
警告を一つひとつ見ると、松岡とホジェと対してのもの以外は誰が裁いてもイエローカードを出していたはずです。
松岡とホジェのは注意でいいと思いますが、そういう基準だったのでしょう。
神戸のファールの見逃しが多く、仙台の選手は不満を感じながらプレーしていたと思います。
まあ、ジャッジについては全体的には許容範囲内ではなかったでしょうか。
しかし、選手も観客も非常にストレスを感じたレフリングだったと思います。
個人的に74分のグダグダしたところは、がっかりです。
イエローカードを8枚も出しておいて、試合をコントロールできませんでした。
イエローカードを向けながら選手に走っていきますが、選手が背中を向いてしまっています。
カードを出す場面以外でも、何か毅然とした雰囲気がなく、最初から不安を感じていました。
J1を裁くには、もう少し経験が必要ではないでしょうか。
前半が終わったところで、北本が審判団に近寄っていき一言二言。
こういうコミュニケーションが取れるようになったのは、大人のチームになってきたと感じるところです。
スタジアム風景
ベガルタ仙台「復興支援ステッカー販売」「宮城・仙台観光PR」
復興支援ステッカーの販売と宮城・仙台観光PRのブースが出ていました。
復興支援ステッカーの販売をアピールする神戸サポーター。ええ奴らや(ノД`)
ブースにいるのは元・ヴィッセル神戸で現・仙台アンバサダーの平瀬様。
復興支援ステッカーと仙台の観光観戦ガイド。
最終節のアウェイ仙台戦でこの観光観戦ガイドを役立てたいところです。
サポーターズミーティングでは、平瀬が挨拶。
コンコースに復興の狼煙ポスターが掲出されていました。
様々な想いを胸に秘めながら、前を向いて歩み始めようとする釜石市民。彼らから感じた「人間の強さ」、そのままを伝えたいと願った盛岡の広告人。苦しみながら悩みながら「今」を撮ることで答えを見つけようとした東京のカメラマン。
「このポスターを見て何かを感じて下さった方々の想いが、前を向き必死に生きようとする人々の明日への力となってくれること」を目的として、「復興の狼煙(のろし)ポスタープロジェクト」の皆さんが制作したポスターをスタジアムに掲出します。
ポスターには岩手県の釜石市、大槌町で復興に向けて頑張っている市民の今の姿に力強い言葉が添えられています。
ゴール裏
宮城の希望の星になろう
全ての仲間にありがとう
故郷を取り戻すまで俺達は負けない!
遠いところをお越し頂いてありがとうございます。
神戸のゴール裏。
その他
この日のモーヴィはポンチョを着ていました。
グッズショップでは、スクイーズキーホルダー2011が新販売されていました。
試合
後半始めからボッティとポポを入れたのは正解だと思います。
前半の神戸からはホジェリーニョの個人技くらいしか可能性を感じられませんでしたので、ブラジル人トリオへの丸投げは現実的な判断です。
展開力のないボランチ
ボランチが松岡とヒデのときでも嘉人(大久保)が下がって配球係をしていたので、前に運べていました。
嘉人が配球係になることの良い悪いはあるにしても、今回は嘉人が出場停止で不在です。
2ブロック目のボランチと2列目5人の寄せが速いこともあって、松岡とヒデが前に出したパスはカットされてしまいます。
仙台対策?
前半は両サイドハーフはワイドに張っていました。
ワイドになった分、選手間が遠くなったこともパスが通らなかった理由のひとつでしょう。
ワイドにしたのは仙台対策のひとつだったのでしょうか?
夏場対策
ファーストディフェンダーがボールを奪いに飛び込まず攻撃を遅らせるようにしたり(ディレイ)、仙台にボールを持たせて守ったりするとことが多く見られました。
後半残り10分の仙台との運動量の差になったことは間違いないと思います。
夏場や連戦の対策をいろいろやっているようです。
夏場に向けた準備を
相手への対策をしたり、消耗を小さくする戦い方をしたりして、自分達の形を壊しているので、うまく行かないのは仕方ないところです。
連戦が続くので練習の中で精度を上げていくことは難しくなりますが、ここで引き分けを取れて、次が福岡と山形の下位チームなのはタイミングはいいです。
ブラジル人トリオが揃ってプレーしている時間もまだ少ないですし、本領発揮はこれからでしょう。
福岡戦と山形戦で夏場に向けた準備をしっかりして、ターンオーバーもしつつ、その上で勝ち点3を取る戦いをしてもらいたいです。
気になったこと
ホームで追いついただけで浮かれるな
89分に茂木の同点ゴールで追いついたわけですが、例によって監督のもとに選手が走っていきます。
いい光景です。
しかし、グダグダや仙台の時間稼ぎもあって長いアディショナルタイムが予想でき(予想より短かった)、流れは神戸に向いているので、一気に逆転まで十分に狙えました。
なのに、浮かれずにいたボッティだけでした。ボッティは早く戻るように促していました。
こういう状況判断もきちんとしてもらいたいです。
ペットボトルの投げ込み
ペットボトルの投げ込みがあったらしいです。
ゴール裏から2人、バックスタンドから1人。
またペットボトル持ち込み禁止になると不便ですので、絶対にやめてください。
恨めしい天気予報
天気予報では、試合当日は降水確率80%、しかも大雨の気配でした。
当日早朝は激しい雨も、早くから小雨になり正午のころには雨はやみました。
そして、入場者数は、13,034人。残念、目標に届かず。
せめて前日時点くらいは天気予報が当ててくれていれば・・・
ちなみにこんなことも呟いていました。
今回の「土曜日の17時キックオフ」は、昨年の「日曜日の19時キックオフ」よりかは来やすかったはず。
(6/17追記)
500人届かず。
学割企画が廃止されるのではなく、もうひとひねりされた企画になることを期待しましょう。
J1 順位表 (第14節終了時点)
神戸は6位から5位に順位を1つアップ。
まだまだ混戦です。
順位 | チーム | 勝点 | 試合 | 勝 | 引分 | 敗 | 得点 | 失点 | 得失点差 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 柏レイソル | 22 | 9 | 7 | 1 | 1 | 18 | 4 | +14 |
2 | サンフレッチェ広島 | 18 | 9 | 5 | 3 | 1 | 13 | 7 | +6 |
3 | ベガルタ仙台 | 17 | 9 | 4 | 5 | 0 | 11 | 7 | +4 |
4 | 横浜F・マリノス | 15 | 9 | 4 | 3 | 2 | 17 | 10 | +7 |
5 | ヴィッセル神戸 | 14 | 9 | 4 | 2 | 3 | 10 | 8 | +2 |
6 | 川崎フロンターレ | 14 | 9 | 4 | 2 | 3 | 14 | 13 | +1 |
7 | ジュビロ磐田 | 13 | 9 | 3 | 4 | 2 | 14 | 8 | +6 |
8 | ガンバ大阪 | 13 | 7 | 4 | 1 | 2 | 14 | 14 | +0 |
9 | 大宮アルディージャ | 13 | 9 | 3 | 4 | 2 | 10 | 11 | -1 |
10 | 名古屋グランパス | 12 | 8 | 3 | 3 | 2 | 11 | 10 | +1 |
11 | アルビレックス新潟 | 10 | 9 | 2 | 4 | 3 | 8 | 9 | -1 |
12 | 清水エスパルス | 10 | 9 | 2 | 4 | 3 | 10 | 14 | -4 |
13 | セレッソ大阪 | 8 | 8 | 1 | 5 | 2 | 10 | 9 | +1 |
14 | 鹿島アントラーズ | 8 | 7 | 2 | 2 | 3 | 12 | 14 | -2 |
15 | ヴァンフォーレ甲府 | 8 | 9 | 1 | 5 | 3 | 10 | 14 | -4 |
16 | 浦和レッズ | 7 | 9 | 1 | 4 | 4 | 10 | 13 | -3 |
17 | モンテディオ山形 | 5 | 9 | 1 | 2 | 6 | 5 | 15 | -10 |
18 | アビスパ福岡 | 0 | 9 | 0 | 0 | 9 | 8 | 25 | -17 |
ジャッジ、警告
ジャッジング
前半14分、都倉の足の裏を見せたスライディングが角田の足に行きます。不用意な都倉のラフプレーでの警告。妥当です。
前半33分、松岡が松下に背後から足をキッキング、ラフプレーで警告。
これが注意もなしに警告なのかは分かりません。
前半36分、ホジェリーリョが関口にアフターでのチャージで警告。
これで警告ということは、厳しく取っていくということなのでしょう。
39分、仙台がパスを繋いで攻めている場面、松下が関口にパスを出してワンツーで抜けだそうと走りだしたところで、河本にぶち当たります。
接触する直前に河本の手が松下の顔に当ってていて、松下は手が当たったことで倒れました。
これがノーファール。
松下が走り出す前に河本が前に入っていて進路妨害ではないので、手が入ったところは見ていなかったのでしょう。
進路妨害ではないとして、ノーファール。
42分、関口のパスミスを茂木がカットし、前のスペースに走り込もうとしたところに、関口が足を出してトリッピング。
チャンスになるところを意図的にファールで止めたとして反スポーツ的行為の警告。
48分、ボールをキープする関口にホジェが後ろから取りにいき、関口が倒れてファール。
ホジェの足が関口の足にあたったかもしれませんが倒れるほどでなく、関口がファールをもらいに倒れたように見えます。
64分、北本の後ろからの激しいディフェンス。赤嶺がバランスを崩して倒れてファール。
フットボールコンタクトの範囲内だと思いますが、これをファールにされると神戸としては苦しいです。
65分、ポポからのパスで神戸のチャンスになった場面。
田中英雄のミドルシュートがキーパーに止められたところで笛が吹かれてイエローカードが出ました。
抗議をしたように見えなかったので推測ですが、主審への文句を言って聞こえてしまったのではないでしょうか。
ポポがボールに触ったときに仙台の選手が何人か手を挙げていたので、ハンドがあったのでしょう。
81分、茂木のドリブルに太田吉彰がトリッピング。
チャンスになるところを意図的にファールで止めたとして反スポーツ的行為の警告。
86分のチョ・ビョングクも同様にチャンスになるところを意図的にファールで止めたとして反スポーツ的行為の警告。
この試合の警告(神戸のみ)
- 都倉賢(C2:ラフプレイ)
- 松岡亮輔(C2:ラフプレイ)
- ホジェリーニョ(C2:ラフプレイ)
- ポポ(C1:反スポーツ的行為)
累積警告
- 松岡亮輔(3枚)
- ポポ(3枚)
- 北本久仁衛(2枚)
- 田中英雄(2枚)
- 都倉賢(2枚)
- 近藤岳登(1枚)
- 河本裕之(1枚)
- ホジェリーニョ(1枚)
- 吉田孝行(1枚)
- 茂木弘人(1枚)
- 大久保嘉人(0枚+4)
関連リンク
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