セレッソ大阪vs神戸~対策とモチベーション

2011年11月20日
Jリーグ (J1) 第32節 セレッソ大阪 vs ヴィッセル神戸
(キンチョウスタジアム)

セレッソのゴール裏でセレッソのゴールに期待する大勢のカメラマンたち。

それに対し、神戸のゴール裏のカメラマンは若干一名。

ほとんどののカメラマンの期待に反し、ヴィッセル神戸が3-0で圧勝!

試合終了後のゴール裏。

適地での勝利の神戸讃歌。

モチベーション

モチベーションに差の表れた試合でした。

セレッソ大阪はクルピ監督退任発表後の最初の試合です。
しかし、天皇杯があるのでまだ1ヶ月近く試合は続きます。
リーグ戦はただの消化試合。

目標の一桁順位、9位以上を掴むためには、落とせない試合のヴィッセル神戸。
天皇杯の敗退、今シーズンの残り試合が決まったことで、ゴールを見据えることができます。
走るとき、ゴールが決まっているのと、いつまで走ればいいのか分からないでは、集中力は違ってきます。

コールリーダーは試合開始時点から上半身裸で気合入ってました。
チームもサポーターもこの試合の重要さが分かっています。

セレッソの神戸対策

モチベーションとか気持ちだけで勝ち負けが決まるわけではないので、内容の方も見てみましょう。

セレッソは神戸に対して、苦手意識を持っています。
7月の対戦で1-4で、神戸のプレッシングに圧倒され、今季ワーストゲームともいえる試合をしています。
神戸のプレッシングに対する意識は強く、神戸対策を練習してきていました。

セレッソは、神戸のプレスを受ける前に、サイド奥にロングボールを蹴ってきました。
狙いは、神戸のディフェンスラインを下げさせること、サイド奥の狭いところでショートパスを使って中に抜け出してゴールに迫ることです。
狙い通りアタッキングサードまで押し込みます。
しかし、パスミスからのシュートカウンターで神戸に先制された後は、本来のシュートパス主体の繋いでゴール前に運ぶサッカーに切り替えました。
ロングボールはボールを相手陣内の奥に運べて失点のリスクも抑えられても、崩せない、2点以上取って逆転するには難しいと判断したのでしょうか?

神戸はいつもよりはチェイシングや前からボールを奪いに行くような圧力をかけたプレッシングはしませんでした。
それでもセレッソの苦手意識が強いため、すぐに後ろに下げてしまっていました。
気持ちの問題でしょう。

神戸のセレッソ対策

いつもの神戸ならば、ディフェンスラインを高くし、前から圧力のあるプレスを仕掛けていきますが、この試合ではそういうところはあまり見られませんでした。
ブロックをしっかり作って、縦も横もコンパクトにして守ってシャドーにスペースを与えないセレッソ対策に徹していました。
ボールを失ったときも、すぐに奪い返しにいくのではなく、相手の攻撃を遅らせること、ブロックを作ることの意識が高かったです。

前半、ボールを持つのは圧倒的にセレッソでした。
ボールを相手に保持されっぱなしなので攻める時間はわずかで、決定機を作らせていないとはいえ、苦しいというか、しんどい展開だったのではないでしょうか。

シャドーにドリブルさせるスペースは与えず。

先制点

先制した場面、ボールを奪いに行ったのではなく、パスコースを消していたら相手が勝手にミスした感じです。
前半11分、ファーストチャンスをものにします。
早い時間に先制できたのはラッキーでした。

中盤での相手のパスミスのボールを三原が奪ってショートカウンター。
嘉人の裏に出したパスをポポが受け、高速クロス。
GKが触れずに吉田のワンタッチでゴール。
吉田は9得点目。

後半序盤のセレッソ

ハーフタイムのクルピ監督のコメント、「前半悪かったわけではない。」

プレビューの記事で、セレッソは後半開始の10分間の得点が非常に多いデータを挙げました。
セレッソは前半の内容の悪い試合が多く、その裏返しで後半序盤に運動量を上げ、テンションを上げて攻めるのです。

神戸にとって幸いだったのは、セレッソが前半の内容は悪くない、としてくれたことです。
テンポを上げずに前半以上に落ち着いて、言い換えれば、ミスのないように無難にプレーしてくれました。
守備意識も高くなっていました。
前半は、最終ラインの4人で守っている感じでしたが、シャドーも下がって守ります。
神戸の攻撃を受けて、カウンター狙いでしょうか?

神戸に追加点を取られた後、播戸を入れてテンション上げて攻めるようになりましたが、1点差と2点差では守る神戸の意識は違います。
神戸は2点あれば、守りの意識を高くしてカウンター狙いです。
セレッソは勝負に出るのが遅かったです。
キム・ボギョンを引っ張りすぎました。

2ヶ月ぶりの試合復帰のキム・ボギョン。
ACLの試合で相手ファールで受けた顔面骨折が完治しておらず、フェイスガードを付けての出場。
フェイスガードの影響より試合勘が戻ってないような動きできた。
体が強い選手のはずですが体を当てられるとあっさり負けてましたし、パスは短い無難なパスに終始して、攻めも守りも仕事をできませんでした。

代表の遠征帰りの清武。
コンディションの問題なのか、周りとの連携の問題なのか、さほど怖くありませんでした。

2点目

後半序盤は前半とは逆の展開になりました。
引いて守るセレッソをパスをつないで押し込んで押し込みます。
神戸は繋げるサッカーもできるようになっています。
個々のパス精度が上がったというより、パスを引き出す動きができるようなったこと、パススピードが上がったこと、パスの受け方が良くなったという要素が大きいのではないでしょうか。

神戸の2点目は北本。
神戸のコーナーキック崩れからのゴール、頭ではなく足でキーパーの股の下を抜いたシュートでした。
クリアボールを三原がダイレクトでゴール前にスルーパス一閃。
ダイレクトながら慎重に流し込みました。

これ、中継を見ていた人にはオフサイドだったと意見が多いようです。
スカパーの映像で確認したところ、北本が瞬間移動でもしたかのような位置でボールを受けています。

スカパーの映像では、瞬間移動でもない限りあり得ない位置で北本がボールを受けています。
ただし、コーナーキック崩れですから、セレッソの選手はオフサイドラインを上げるために前に移動しています。
蹴った瞬間のオフサイドラインはどうなのでしょうか?

スカパーの映像で検証です。
三原がダイレクトでラストパスを蹴った瞬間です。
セレッソの最終ラインの線種も北本も映っていません。
これではオフサイドかどうかわかりません。

オフサイドラインとなるセレッソの選手は誰なのか?
ラストパスが蹴られる直前の画です。
ピンクで囲っている選手の位置がオフサイドラインとなります。
ラストパスが蹴られるのは、この後なので、この少し前がオフサイドラインになります。

北本が映ったときの画です。
推測されるオフサイドラインを引いてみました。
セレッソの選手の移動距離からすると、北本がラストパスが蹴られた後でオフサイドラインを越えることは、瞬間移動しなくても十分で可能です。

主審はボールの方を向いていて、北本は背中の位置にいます。
セレッソの選手も同様にボールを見ているので誰も見えていません。
実際にどうだったかは、現地でそこに注目して見ていた人でないとわからないでしょう。

現地では目の前のことだったけど、ボールがゴール前に出たところに視点を置いていて、三原が蹴った時点やボールが出たときに北本を視野に入れて見れていません。
ボールのところに、北本は横に近い緩い角度で入ってきたように見えました。
上の画と合わせて考えると、縦に入ってきたならオフサイドではなかったと思いますが、そうではないのでオフサイドだった可能性が高かったのではないかと思います。

言えるのは、セットプレイ崩れのときは速やかにラインを上げましょう、ってことですね。

(追記)
youtubeにゴール裏からの北本のゴールシーンがアップされていました。
正面からなのでオフサイドの判別は蒸すかしいのですが、北本はセレッソのラインを確認しながら動いているのはわかります。
また、ゴールに対して、縦に入って来ていました。
それを踏まえると、オフサイドではなかったんだと思います。

PK疑惑シーン

後半63分、ポポが上本からボールを奪って抜け出し、キーパーと1対1になる場面がありました。
キーパーを抜こうとしたときに、キーパーの手がポポの足に触れて、ポポが倒れました。
しかし、ファールにはなりませんでした。

スカパーの映像を見て状況を整理すると、
ポポはキーパーを抜こうとして、キーパーのトリッピングらしきプレーで倒れました。
キーパーのキム・ジンヒョンはボールに触れていないのでボールへのプレーではありません。
キーパーのキム・ジンヒョンの手はポポの足に触れています。

判定はキーパーのファールとしませんでした。
スカパーの実況ではポポのシミュレーションか?と言っていましたが、シミュレーションならば警告としなければならないのでシミュレーションでもありません。

判定の解釈は、シミュレーションとまで行かないが倒れずにプレーを続けらたはずと判断したか、それか接触していないと見たのかでしょう。

実際はどうなったかというと、ボールに行けておらず、手が足に接触しているのでPKの判定が妥当ではないかと思います。
北本のゴールとの帳尻合わせとは思いませんが、そう見られても仕方ありません。
仮にファールだった場合、茂庭が横にいるので決定機阻止のレッドカードではなく警告止まりでしょう。

判定

神戸にとってよかったのは、手を使ったプレーにジャッジが緩かったこともあります。
ユニフォームを引っ張っても、肩に手をやって押さえても、押しても、余程出ないとファールにはなりませんでした。
この基準に合わせて神戸の選手はプレーして、セレッソはそうではありませんでした。

バックスタンド側の副審のラインアウトのジャッジは
ポポのフリーキックのシュートがクロスバーに当たって出たものと、ポポのシュートがヒデに当たって出たものが神戸のコーナーキックになりました。
コーナーキックかゴールキックかの間違いはよくあることですが、今回のは難しい類のものではなく、特に後者のは間違いようがないので残念です。

今年の神戸には珍しく、しつこく抗議する場面がありました。

上本の足の裏を見せてのスライディングタックルでした。

主審からはブラインドになっているので判別できませんが、副審の目の前です。
試合序盤で主審の基準がまだ定まっていない時間帯ですが、ラフプレイに対しては基準は関係ないので、しっかり主審をサポートしてもらいたいです。

森岡がセレッソ守備陣を翻弄

65分から入った森岡、ドリブルにセレッソのDFを混乱させていました。
ボックス内でドリブル、キープできる選手がいれば、決定機を作るのは容易くなります。
森岡をFWの位置で使う意味が十分に出ました。
1対1に強い茂庭を抜いた場面もありました。
これならスタメンで使いたいと思えてきます。

ドリブルで持ち込む。マルチネスが足を掛けられてなんとか止めます。

センターバック2人を引きつけて、フリーのヒデにラストパス。

ボックス内でドリブルからシュート。

小川慶治朗

2人目の交代で入った小川慶治朗。
7月11日の名古屋戦で負傷して以来、4ヶ月ぶりの公式戦出場です。

ポポのシュートに詰める場面がありましたが、キーパーがファンブルしながらもボールを押さえます。
大きく弾いていれば1点でした。
動き出し、反応の良いところは見られましたが、全体的にはケガの前の状態に戻っているかは分かりませんでした。

慶治朗のチャントもお披露目されました。
原曲は長渕剛の「金色のライオン」。
今の慶治朗の風貌にぴったりの曲です。

個人的には、ラララチャントはセレッソっぽくてダサいので、歌詞を付けてほしかったなぁと思ったり。

都倉も3人目の交代でケガから復帰しました。

大久保嘉人

セレッソ側にもダンマクが出ていたように、セレッソサポーターにとっても大久保嘉人は特別な存在です。
嘉人は後半アディショナルタイムにゴールを決めますが、セレッソサポーターに配慮してか一切喜ぶところを見せませんでした。
試合後も同様です。

FC東京や柏などの移籍の話しがちらほら挙がっていますが、試合開始前、試合中、試合後にも嘉人のチャントを何度も歌う神戸サポーターの声は届いたでしょうか?

来年は長居スタで

入場者数は16,030人。
昨年のこけら落としの14,031人、昨年の最終節の15,011人を越えるキンチョウスタジアムでの最高記録です。
おそらくクルピ監督の退任の影響が大きいのでしょうが、アウェイゴール裏も一面クリムゾンレッドで埋まりました。
来年は隣の長居スタジアムでやらしてくれていいと思います。

さいごに

圧勝ですが、完勝ではないです。
何度もあった決定機のほとんどで決められませんでした。
セレッソ側の問題で勝てた部分が大きいです。

そうは言っても、対策を立てて、狙い通りにハマりました。
相手の良さを消し、自分たちの良さを出せたベストゲームだったことには間違いないです。
次も負けられない試合は続きます。

スタジアム風景の写真はレスポンスが重くなりそうなので明日にします。

J1 順位表 (第32節終了時点)

順位 チーム 勝点 試合 引分 得点 失点 得失点差
1 柏レイソル 68 32 22 2 8 61 40 +21
2 名古屋グランパス 65 32 19 8 5 63 36 +27
3 ガンバ大阪 64 32 19 7 6 74 50 +24
4 横浜F・マリノス 55 32 16 7 9 45 36 +9
5 ベガルタ仙台 53 32 13 14 5 37 24 +13
6 鹿島アントラーズ 46 32 12 10 10 49 39 +10
7 清水エスパルス 45 32 11 12 9 41 45 -4
8 ジュビロ磐田 44 32 12 8 12 50 41 +9
9 サンフレッチェ広島 44 32 12 8 12 45 46 -1
10 ヴィッセル神戸 43 32 12 7 13 41 42 -1
11 川崎フロンターレ 41 32 12 5 15 48 51 -3
12 セレッソ大阪 39 32 10 9 13 59 51 +8
13 アルビレックス新潟 39 32 10 9 13 38 42 -4
14 大宮アルディージャ 39 32 9 12 11 33 43 -10
15 浦和レッズ 33 32 7 12 13 33 39 -6
16 ヴァンフォーレ甲府 30 32 8 6 18 38 60 -22
17 アビスパ福岡 22 32 6 4 22 32 66 -34
18 モンテディオ山形 21 32 5 6 21 22 58 -36

(終わり)

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