「クラシコ」DVD発売、サポーターとは何か?

サポーターとは何か?
すごく共感できる映画でした。

「クラシコ」のDVDをAmazonで買いました。

今年、大阪でも6月頃に梅田の映画館で上映されていたのですが、機会を逃していました。
そのDVDが12月16日に発売になり、ようやく観ることができました。

映画の内容

サッカーのクラブと選手を支えるサポーターたちの熱き闘いの日々の記録したドキュメンタリー映画です。
舞台は、Jリーグの下のJFLのさらに下の地域リーグのひとつ、北信越リーグ(1部)の2009年シーズン。
話しの中心は「信州ダービー」、「松本山雅FC」と「AC長野パルセイロ」の長野県を本拠地とする2つのクラブの試合です。

登場人物

長野と松本の選手も試合以外の場面でも登場しますが、中心は松本山雅サポーターです。
ゴール裏で声を張るサポーター団体の人々、個性の強い居酒屋のマスターたちです。
長野のクラブ関係者や監督の出演時間は松本山雅サポーターと同じくらいありますが、長野サポーターは登場しません。

松本山雅は、地域リーグでも特殊でした。
ホームスタジアムは、アルウィンという2万人収容のサッカー専用スタジアムです。
観客数・サポーターの数は地域リーグにしては多く、観客数はJ2のクラブと変わず、ホームでの試合はJリーグと同じくらいの盛り上がりです。
松本山雅FCは、2009年にJFLに昇格、2011年の今年Jリーグ参入条件を満たし、来年からJリーグ(J2)を舞台に戦います。

信州ダービー

長野と松本のダービーほど、「地域」の誇りを賭けた戦いが他にあるだろうか?

長野県の松本市民と長野市民は仲が悪いです。
同じ県内で仲のわるいところは、他の県でもあります。
静岡県とか青森県とか、県間なら茨城県と栃木県とか。
これらはどっちが都会かをいがみ合っているだけです。
松本市と長野市の関係はそんなものではありません。

長野と松本の争いの始まりは明治の「廃藩置県」。
最初、長野をはじめとする東北信は「長野県」、松本をはじめとする中南信は「筑摩県」でした。
1876年に長野県と筑摩県が統合されます。
統合のきっかけは筑摩県庁の火災。
「県庁を取られた」
「長野が松本の県庁に火をつけた」
「県庁所在地は信州の中央に位置する松本がふさわしい」
「松本市は長野県ではなく信州」
松本市の人にはこのような遺恨が受け継がれています。

歴史的な背景、サッカー以外での市としてのライバル関係のある信州ダービーは、日本で唯一クラシコと呼ぶにふさわしい試合なのです。
ダービーと呼ばれる試合はたくさんありますが、クラブの誇り、サポーターの誇りをかけたものです。
信州ダービーはそれだけでなく、市の誇りもかけているのです。

ありきたりなサポーターのドキュメンタリー

長野市民と松本市民の確執は、詳しくはないけれど知ってはいました。
ダービーのドロドロした対立が観られると思っていましたが、長野市と松本市の歴史的な関係を時間をかけて説明するも、サポーター間の対立の描写はありませんでした。
どちらかというと、松本山雅のさわやかなサポーターのチームへの愛情や情熱を見せています。

意地の悪い言い方をすれば、
映画に映っているのは、ただの松本山雅のサポーターたちです。
それはJリーグのどのクラブのサポーターにもある何の変哲もない光景です。
見終わった後、感動はありませんでした。
どこかのサポーターの人が観ても、同じじゃないかと思います。
実際に自分の目で見て体験したことの方が強烈だからです。
多くのサポーターは、映画のサポーターと同じような思いを持ってスタジアムに行き、同じような体験をしています。

サポーターのチカラ

当ブログでは、サポーターが応援している写真をよく使います。
相手チームのゴール裏の写真も撮ります。
それは、彼らが発している熱は、見ている人を引きつけるものがあるからです。

ゴール裏でチャントを歌ったり、飛び跳ねているサポーター。
ゴール裏以外にもバックスタンドやメインスタンドで手拍子しながら観ているサポーターもいます。
バックスタンドやメインスタンドで、自分だけ手拍子することは、ゴール裏で歌うことよりも勇気のいることです。
手拍子したり、チャントを歌ったり、飛び跳ねたり、チームへの愛情・情熱は周りに伝搬し、スタジアム全体が盛り上がることで選手への後押しになるのです。

サポーターのチカラは試合の勝敗をも左右する強い影響力を持っています。

サポーターの存在を知ってもらうための映画

映画に登場するサポーターの言葉は、すべて共感できます。

どこのチームのサポーターもやっていない人に見てほしい映画です。
ここまでのサポーターのドキュメント映像は知りません。
サッカーをスタジアムで観たことのない人にこそ、この映画を観てもらって、自分の街や地元のチームを愛する情熱を知ってもらいです。
とりあえず、知ってもらうだけでもいいです。
少しでも感動したり、何かに情熱を持つことをうらやましく思ったり、何かを感じたならば、サッカースタジアムに「サポーター」を見に来てもらいたいです。
映画と同じ光景がそこにあります。

さいごに

ダービーができるクラブのサポーターはうらやましいです。
ヴィッセル神戸の2010年シーズンのDVDもよくできているので、こちらもサポーター以外の人にも観てほしいですね。

(追記)
信州ダービー、北信越リーグ(1部)に焦点を当てた映画のはずなのに、サポーターが出演するのは松本山雅ばかりで不公平という意見があるようです。
確かに見終わった後の印象は、松本山雅サポーターの苦悩と歓喜の1年間の映画でした。
松本山雅のサポーターはサポーター団体としてJリーグと同等かそれ以上に機能していて、映画をうまく利用しようとする思惑と戦略的な実行力があることは想像できます。
長野のサポーターは、まだ地域リーグレベルのサポーターで、当時そこまで成熟できていなかったのでしょう。
長野の監督やスタッフの出演時間が松本山雅サポーターと同じくらい取られているのは、バランスを取るための制作側の配慮と思われます。

特典映像

DVDの特典映像として『Re:Clasico ~フクシマから遠く離れて~』が収録されています。

『Re:Clasico ~フクシマから遠く離れて~』
“3.11”の東日本大震災の翌日に東京公開をむかえ、サッカーファンの間で口コミで広まっていった本作が、福島で上映されるに至ったドラマを綴った41分間の特典映像。宇都宮徹壱さんのコメント「地元を愛する心がある限り、この国は滅びない」がこの特典映像のキーワード!

購入方法

公式サイトを見た感じだと、今のところ、DVDはセルのみのようでレンタルは行われないようです。
関西での店頭販売は、梅田の茶屋町にあるMARUZEN & ジュンク堂のみです。
アマゾンでもネット販売されています。

詳しくは、映画「クラシコ」公式サイトで。
映画「クラシコ」公式サイト

(終わり)

にほんブログ村 サッカーブログ ヴィッセル神戸へ

最新記事一覧(トップページ)へ

コメントや感想や指摘などはゲストブックにお願いします。