西野さんの監督就任が決まったところで、和田さんと安達ヘッドの評価を書いておく

19日のアウェイでの広島戦の後、正式に西野朗氏のヴィッセル神戸の監督就任が発表されました。
Ustreamで記者会見が生中継されましたが、特筆するようなものはありません。
強いて挙げるならば、西野さんは監督復帰の意欲はあったのに正式オファーしたのは神戸だけだったということですね。
浦和は断られたのではなくオファーしていなかったということになります。

この記者会見のタイミングは狙ってやったのでしょう。
試合のある土曜日、しかも東京、急に記者会見と言われても、サッカーの記者やライターはスタジアムに出払っています。
記者会見で質問したのは、在京のテレビ局と一般紙で専門的な話しは出ませんでした。
財政面での質問で三木谷会長にはぐらかされたところは、さらに突っ込んで質問してもらいたかったです。

ヴィッセル神戸の公式Facebookに西野新監督のサポーターに向けたメッセージビデオがアップされています。
西野朗新監督からファン・サポーターの皆様へメッセージ

監督評

さて、次の体制が決まったことですし、頭を切り換えるためにも監督としての今年の和田さんと安達ヘッドコーチを採点してみます。
次いでに西野さんと、和田さんの前に監督をしていた人も。

監督を評価する要素は、おおまかなに下の5つと考えています。
各要素の意味であるとか各要素の中のどの要素を重視するとかで評価は違うので異論はあるでしょうが、あくまで個人的な評価です。

  西野 安達 和田 その前の人
戦術眼
戦術指導力
采配
育成
チームマネージメント

監督・西野朗

西野さんは、戦術眼とチームマネージメントを5段階の5にしました。
他の項目は、まあ普通です。
宇佐美とか安田とか橋本とか二川を育てたようなイメージがありますが、育てたというより先を見据えて若いうちから起用しただけと思っています。
我慢しながらチャンスを与えて、ものにできるかどうかは本人次第。
あまり技術や個人戦術について細かく指導する印象はありません。
指導力を低くしたのも似たような理由です。

神戸の問題は、基本的な個人戦術が稚拙である点と見ています。
なので、オシムとかオフトのような育成タイプの監督が根気強く基礎を叩き込んでくれればと思います。
西野さんでもその部分は改善できるのか、少し不安視しています。
西野さんは決断力はあっても根気はなさそうです。

西野さんの強みは、総合的なチームマネージメントで、選手に合わせた戦術を用いる幅の広さ、選手に全力を出させる風土作りであると考えています。
ただし、やり方についてこない選手はフォーローせず捨てます。
和田さんとは選手に全力を出させる風土作りに長けている点は同じですが、やり方は真逆です。
今年のオフは昨年以上にチームを去る選手が多くなるかもしれません。

監督・和田昌裕

和田さんはきめ細かに選手に声をかけ、選手から慕われる監督でした。
ちゃんと見ていることを選手に感じ取らせ、情に厚く、この人のためにがんばろうと思わせる上司です。

選手に対し期待する水準をはっきり示していました。
起用されない選手は、監督が好き嫌いで選手を選んでいるんじゃないということ、自分の足りない部分は何かを理解し納得できていたと思います。
2010年の奇跡の残留のときは、監督が和田さんだったから成し遂げられたというのは誰もが思うことでしょう。
チームがまとまり、選手個々の力を一つの大きな力に変えることができたのは、和田さんのチーム作りによるところです。

戦術の指導力、試合の采配はイマイチでした。
一言でいうと、引き出しが少ないです。
指導力の部分では、何をするのか(WHAT)を提示していても、どうやるのか(HOW)を提示できませんでした。
特にゴールの奪い方、ゴールに到るまでのプロセスを示せませんでした。
エルゴラッソの橋本のインタビュー記事から、橋本の考えている神戸の守備と実際の神戸の守備にギャップが感じられました。
守備の面でも細かく指示できていなかったのかもしれません。
チームとしてやり方について不明確なため、選手自身で問題点に気付き、対処を話し合うというプロセスをたどります。
それではひとつひとつの問題の改善に非常に時間がかかります。

采配については、試合後のコメントで「セットプレイが鍵になる」という旨のものが何回かありました。
悪い流れでもがんばって耐えていれば、起死回生の何かが起きるということに期待していたと受け取ることができます。
コーナーキックや良い位置でのフリーキックはいい攻撃をしないと巡ってこないわけです。
試合中、起こっていることや問題点は分かっていたと思います。
どこかを手当すれば別のところに支障が出るので、何を拾って何を捨てるかってことになります。
その決断ができないのではなく、これも「何(WHAT)」ではなく「どうやって(HOW)」がなかったのだと思います。
決断したときはほとんど良い結果になりましたが、決断できるときは「どうすればいいのか」が明確なときだけでした。

シーズン通してトップチームの監督をしたのは昨年の1回だけで、監督としての引き出しが少なさは仕方ないと言えます。
個人的には和田監督を支持していましたが、和田さんのチームマネージメント力を評価してのことです。
戦術の浸透や連携の向上は、指導力が不足していても時間をかければある程度は良くなっていきます。
和田さんの「選手に全力を出させる風土作り」があれば、1シーズンで見れば平均的な結果が得られ、少なくとも降格危機の状況にはならないと思ったからです。
もともと本人が望んで監督になったわけではないですし、神戸がこれから本当に強くなっていくのであれば監督をする機会はないでしょう。

監督代行・安達亮

安達亮ヘッドコーチのパーソナルな部分はよく知りません。
安達貞至の息子であることと経歴は知ってはいますが、これまで特に興味を持つことはありませんでした。

思っていたより、できる監督でした。
最初に挙げた5段階評価は3を並べましたが、短い期間の中では悪いところは見つかりませんでした。
ただ、1試合1試合トーナメント戦のように勝つことだけに特化していて、先のことはあまり考えていません。
たとえば和田さんがフィットしない橋本を使い続けたのはシーズンを通した目で見ていたからで、安達ヘッドコーチが橋本を使わなかったのは目先の結果だけを求めたからです。
シーズンを通して監督をすることになれば、采配は違ってくるのだと思います。

試合の成績は、リーグ戦2勝2敗。ナビスコカップを入れれば2勝3敗。
2連勝した後、3連敗でした。
2連勝したのは監督解任の刺激だけでなく、むしろ指導力と采配によるものと思います。
負けた試合も悪い内容ではなく、上位相手によくやったと見るのが正しいでしょう。
良かっただけに勝ち越して数字の上での結果を残したかったです。

和田さんの言葉があいまいだったのに対し、やることをはっきりさせたことがチームが良く変わった大きな要因です。
やり方自体は和田さんのときと大きく変わっていないと思います。
森岡が仕掛けたり、2列目以下の選手がゴール前に飛び込んだりするようになったのは、選手にやることを明確にしてあげたことによる変化でしょう。

試合中は細かく選手に指示を出したり、流れを見極めて選手交代をしたり、よく動く指揮官でした。
機を引き寄せる、機を逃さないという気迫が見えてきました。
おもしろいサッカーを見せてくれました。

西野監督の良いところを吸収してもらって、また近いうちにチームを指揮するところを見てみたいです。
西野体制が長くなるのであれば、他のチームで、っことになってしまいますが。

(終わり)

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