ヴィッセル神戸vs横浜Fマリノス~不甲斐ない

実力に差が大きすぎた。
何度やっても勝ち目は薄いだろう。
マリノスはうまいだけでなく運動量と狡猾さもあり強かった。
神戸は弱く、不甲斐なかった。

2012年11月7日 Jリーグ(J1)第31節
ヴィッセル神戸vs横浜Fマリノス
スコア:神戸● (1 – 2) ○ 横浜

西野監督の解任のニュースが出ています。
この記事をアップするためにネットに繋いだときに知りました。
来季以降、3年後、5年後のことを考えるともったいないことです。
でも、残留優先の状況では良い判断で評価します。
少し遅い決断だったとも思います。

不甲斐ない

情けない、意気地が無いさまなどを意味する表現。
辞書で「不甲斐ない」を引いてみたら、そう書いてありました。
この試合の神戸は、この言葉の通りでした。

守備にしても攻撃にしても現状の神戸の実力は出せています。
それで通用しない相手なれば、気持ちを上乗せして戦わなければならないですし、今はそういう状況です。
もっと厳しく、もっと走り、もっと勝負してほしかったです。
やれることはもっとあったはずです。

パスが繋がらない

この試合、神戸のお株を奪うかのようなマリノスのプレスの速さが目立ちました。
そのためにマイボールになっても前に長く蹴るか、高く蹴って5分5分のボールにすることが多くなりました。
ロングボールは屈強なセンターバックに跳ね返され、5分5分のはずのハイボールは競り負けて相手ボールになります。
でも、これは仕方ないかなと思います。
現状の神戸では、相手のプレッシングをいなしながらボールを回すことはできません。
ボールを下げたところを狙われてショートカウンターをやられるよりは、高い位置でボールを奪われる方がマシです。

しかし、常にプレッシングに来てたわけではありません。
そういうプレッシャーのないときにも簡単にボールを失ってしまいます。
パスが相手の足に当たってばかり。
パスコースがクリアでなくても仕方なくパスしようとしたからだと思います。

問題点は、味方ボールホルダーへのサポートのなさ、選手間の距離が遠いことです。

サポート

試合前の大久保嘉人のコメントやスカパーの実況・解説にも「サポート」という用語が出ていました。
味方ボールホルダーへのサポートというのは、パスコースを作る動きをすることです。
ボールを引き出す動き、とも言われます。

相手はパスコースを切るポジショニングで守ります。
つまり、攻撃側のボールを持つ選手の視点でいうと、自分と味方選手との間に相手選手がいます。
受けての足が止まっていてはパスは繋がりません。

この試合でサポートの意識が見られたのは、大久保嘉人と橋本だけでした。

距離感

パスが繋がらないのは距離感の悪さもあります。
パスを出す選手と受ける選手の距離が遠いと、パスの難易度は上がります。
近いパスに比べ、より高いキック精度が必要で、ボールが転がっている時間が長くなるので相手に獲られたりクリアされたりする可能性も高くなります。
遠くにいると見つけてもらいにくくもなります。
逆に近すぎるとボールを持つ選手の邪魔になります。
程よい距離がいいのですが、チームや状況によって違います。

神戸のベストな距離感は小さい

神戸の場合、中盤の選手の体は大きくないので、遠くへ蹴ろうとするとモーションが大きくなります。
コンマ何秒の一瞬のことですが、体が大きい人に比べると時間がかかります。
キック精度も良くはないので神戸にとってのベストな距離感は小さい方でしょう。

攻撃のときにワイドに広がるのはセオリーですが、パス回しという点では、もっと狭い範囲に集まって、そこを突破することを狙った方がよいと思います。
密集から突破した後、サイド奥に出せばフリーでクロスを蹴られる状況を作れます。
昨年までのガンバがそうでした。

ガンバに似るのはしゃくですが、そっちに進むことは理にかなっています。
パスサッカーのガンバから移籍してきた橋本はキック精度が高いと思っていましたが、それほどではありません。
橋本はサポートの意識が高く、前にいても後ろにいてもパスを受けられる位置にいます。
足元の技術がないからパスサッカーはできないことはありません。
すべての選手のサポート、体勢、距離感の意識が高くすることがより重要です。

それでいいのか?その1

チーム戦術、何をやりたいのかがはっきりしていません。
現状見ていて、ガンバのような方向には進んではいません。
今いる選手ができることを優先しているのはわかります。
前にボールを蹴るだけだった清水戦はあれでいいのです。

川崎戦は大久保嘉人と野沢が近い位置でプレーしたことで、全体的にボールを回すことができました。
この試合では、野沢はサイドに張り付き、大久保嘉人はトップでした。
サイドから崩して、最後の精度を高くしたいという意図での配置だと思います。
チーム全体のバランスとして、それでいいのか疑問です。

それでいいのか?その2

前半、神戸は決定機が3度ありましたが、全体的にはマリノスに押され続けました。
こういう片方が一方的に良くて、もう一方は悪い前半のとき、往々にして後半は逆になります。
良かったチームは変えずにそのまま、悪い方はやり方を変えるからです。

西野監督の一番の良さは、修正力だと思っています。
この試合のような前半が劣勢のときこそ、逆に期待できます。
そのはずなのですが、後半もあまり変わりませんでした。
目に見えて分かったのは、嘉人がボールを受けに下がることが多くなったことくらいでした。
前半に決定機が3回あったので、選手がこのままでもいいと思ってしまったのかもしれません。
終盤、グァンソンをトップに上げて三原をセンターバックにするポジション変更をしても、やったのは森岡中心の地上戦。
この試合は選手に任せすぎました。
これでは高い給料を払っている価値はありません。

大久保嘉人

大久保嘉人がスタメン復帰。
ベンチスタートの予定だったのはスタミナの面でまだ不安があるのでしょうか。
ダッシュ、ターンに切れがあり、非常に調子が良いように見えました。
調子の良さから決定機を作ります。
しかし、3回の決定機、ともにゴールを決められませんでした。
調子が良い自信から、際どいところを狙い過ぎたり、左足のシュートになる難しい選択をしてしまったのではないでしょうか。
調子が良いと逆に無理をして結果に繋がらない典型的なパターンです。

三原雅俊

三原は4月7日以来のリーグ戦でのスタメン、途中出場でも6月23日以来でした。
これまでのボランチはヒデが前に出て、橋本が守備的の役割でした。
守備的なボランチを2枚にするのではなく、攻撃的なボランチを橋本にして、守備的な役割は三原になります。

最初の決定機、こぼれ球をスライディングしながら三原がクリアし、そのクリアボールが相手センターバックの間を抜けるスルーパスになりました。
センターバックの間に蹴ったのは狙ったものでしょう。
三原の良さはボールを持っていないときに周りを良く見ることです。
ボールを持ってから周りを見てプレーを始める選手が多い中、三原はボールを受ける前に状況は把握し、ボールを持ったら何をするか考えてからパスを受けるので判断が速いです。
この場面、開いているセンターバックの間に蹴ったらおもしろいと考えていたのでしょう。

田代有三

スタメンでの出場の見込みでしたが、ベンチにも入らず。
当日朝起きたとき、足に違和感があったとのこと。
筋肉系ということなので、今シーズン終了かもしれません。

岡部拓人

主審は31歳、岡部拓人。
今年、いろいろジャッジやゲームコントロールでいろいろ挙げられている主審です。
この試合でも両チームの選手がジャッジに詰め寄ったり異議するジェスチャーをする姿が目立ちました。
ただ、判定は全体的に妥当で、どちらとも取れるような微妙なものもほとんどありませんでした。
ボールホルダーの肩に肩をぶつけるのは正当なプレーで、ボールを競りにいっている選手に肩をぶつけて倒すのはファール。
スライディングはボールに行っていれば正当なプレー、ボールに行った残り足がスネに当たったり、残り足に躓いてもノーファール。
難しいジャッジがなかったとはいえ、最近見た試合の中ではいちばん見極めができている主審でした。
イエローカードもすべて妥当です。

主審は若く、J1の試合実績も少ないため異議しやすいのでしょう。
特にマリノスの選手はあきらかなジャッジでもいちいち異議をしないと気が済まないようです。
警告までいかない異議ならば、タダだからしないと損みたいな感じでしょうか。
大久保嘉人も同様。
観客はどうしても異議している方が正しいと感じてしまうため、主審への不信感が募ります。
安易な異議は余程でない限り控えてもらいたいです。

岡部主審が選手とのコミニケーションを取っている場面は見られませんでした。
コミニケーション不足が選手の不満の種になっているのでしょう。

Jリーグは、何がファールで何がファールでないのか解説・説明することを考えてもらいたいです。
過去の試合の中からサンプルを集めて、動画を交えてサッカーのルールを解説するサイトを作るくらいのことはできるのではないでしょうか。

さいごに

さて、シーズン終了後、この敗戦で危機感が高まって良い結果に繋がった、と言えるようにしたいですね。
次節の対戦相手のFC東京は、この試合を見て対策を練ってくるでしょう。
神戸がこの試合のパフォーマンスを改善できれば、相手を出し抜くことができます。

今月の残りはアウェイ2戦です。
ここを最低1勝1分けでないと、残留は難しいです。
アウェイ遠征を真剣に迷っている人は多いと思います。
FC東京戦はともかく、柏戦は3連休ですから、移動手段や宿泊先はそろそろ押さえておいた方がいいかもしれません。

(終わり)

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